ファミコンAV化したやつの写真とか

http://www.geocities.jp/beta_reverse/vb-se_100421-fcmod/fcmod.html
ずいぶん前にコンポジットビデオ出力を追加したファミコン、久々にバラす機会ができたんで、ついでに写真を追加してみる。
私は解説はボロが出るんでやらない人なんだけど、この機会にもうちょい(気分で)書いてみるんで、興味ある人は参考までに。当てにならんことは前提で。

ビデオ信号を取り出すところ。エミッタ抵抗と出力抵抗。実装よくないなー。

エミッタ抵抗が220オームなのは、お店で入手しやすい抵抗値だから。少々の増減は問題ないです。
出力抵抗の100オームは、回路図の上では、トランジスタの近くでもRCAコネクタの近くでも同じなわけです。しかしこの作例の場合ではエミッタの近くに置く、ってのをやってます。理由は発振とショートのリスクの軽減。
出力抵抗は実測で100としましたが、これは変えないほうがいい。たとえば、75オームではダメ。インターネットだと110オームにしてる作例があるようですが、これは任天堂AV仕様ファミコンの回路を参考にしてるのかな。私が100にしたのは、私の手持ちのファミコンオシロで見たときのピッタリの値、かつ入手しやすい抵抗値、ってだけで、110でもよかったはず。

ビデオ信号ならインピーダンスマッチングしなきゃならないから75じゃないか、というのはごもっともなんだけれど、少々のミスマッチングよりも受け側で1Vになることのほうが重要なわけです。もしファミコンのPPUから2Vの信号が出てるのなら、それをそのままエミッタフォロワを通して、68オームくらいの抵抗を通せば、だいたい出力75オームくらいになるからいい。でもファミコンの場合はもうちょい大きめに出てるみたいなんで、出力抵抗を100オームにして辻褄合わせしてます。75オームでインピーダンスマッチングをしたい、というんなら、それは電圧レベルを調整してから。つまり追加部品数が増えるとか、そういういうことになる。


参考にちょっとだけ、一般解説のようなもの。ビデオ信号をアンプで送るときの基本パターンは、

  1. 1Vのビデオ信号を、電圧増幅して、2Vに整形する。
  2. エミッタフォロワやボルテージフォロワで信号の抵抗値を下げる。
  3. 75オーム、プラス75オームの抵抗に十分に電流を流せるように、(エミッタ電流を多めに流した)エミッタフォロワを通すなりなんなりする。可能なら抵抗値を下げるのと同時にやってもOK。
  4. 抵抗75オームとアルミ電解コンデンサ220μF〜2200μFを直列に挟んで、出力。この時点で2V。
  5. ケーブル通す。
  6. 受け側のテレビとかで、75オームの抵抗で受ける。抵抗で分圧されて1V。

1Vを2倍して2Vにして、2Vにパワー与えて送り、受け側で1Vにすれば、元通り1V、というような感じだろうか。
ちゃんとした情報はお金を出して、本でも買ってくださいー。



ビデオ信号にはアルミ電解コンデンサを挟んでる。オーディオにもコンデンサは挟まなきゃだめ。
コンデンサを通せば全く問題ない、ってわけではないにしても、コンデンサと抵抗を通すだけでも、ファミコンファミコンと繋ぐ機械が壊れる危険がグッと減る。
ビデオ回路の設計がまずい場合、コンデンサを外すとたまたま動く状態になる、だからコンデンサはつけない……って事例もあり得るわけだけど、それは回路の設計にミスがあるから。写真の作例ならコンデンサを通しても問題なく動くんだから、コンデンサを外すメリットはないです。


これたぶん、トランジスタ回路の設計をかじった人なら、誰が作ってもこれと同じ回路になるはずです。だから私も「この回路を使って改造ファミコンを売るな!」とは言わんわけ。でも商売として売るんなら、こんな記事読む必要も無いわけでしょ。だから、これを読む人なら、個人製作にとどめて欲しい、って書いてるわけです。個人製作以上のことをやれる人なら、ネットの間違いだらけの情報に振り回されるのは時間の無駄なんだから、自分で組むほうが簡単なはず。
まぁ改造ファミコンを売る人を止める気も権利も私には無いけれども、買う人が気の毒かなぁとは思う。ゲームソフトの種類によっては同期がとれません、なんて粗悪品は、ただの不勉強。



↑サイトのほうには書いてないんだけど、パスコン追加したりはしてます。ファミコン基板にパスコン用っぽいパターンがついてるんだから、つけたほうがいいのかなぁと思ってつけてます。基板表面についてるセラミックも、積層セラミックに交換してる。まぁこういうのは、自分用だからできることなんだけれど。あ、抵抗は電源LED用です。
パスコンの定番は、低周波用にアルミ電解を一つ、各半導体に高周波担当の積層セラミックを一つずつ、っすね。基本は安定動作のためで、「縦縞軽減」のためではないです。
パスコンはいちおう「縦縞軽減」的な効果もあるように見えたのだけれど、そういう目的ではあんまりやりたくないし、他人には勧めたくないです。電源まわりを弄るのは電源の立ち上がり的に心配なわけで、コンピュータ的に大丈夫なのかなぁ、とか。周辺機器が接続されたらどうなるのかなぁとか思うわけで。

縦縞模様云々については、気になるのは分かるんだけれど、それは本当に必要な対策なのか、どこまでリスクをおかして手を入れる価値があるのか、というのは常に頭に置いたほうがいいんじゃないかとは思う。
本末転倒にならないようにバランスを考えたほうがいい、というか。勉強目的と実用目的は分ける、というか。