ぬかみそフォントのユーザさんらのマナーと今後の予定

http://d.hatena.ne.jp/Narr/20141216
一昨日のnukamisoフォントのメンテナンス廃止発言について。

フリーフォント作者が頭を悩ませるユーザさん

しばしば、人気のフリーフォントの作者さんが、開発サポートを終了する話は聞きます。それは大抵、一部のユーザさんから無茶な要求があっただとかで、精神的・時間的余裕が奪われるのに耐えられなくなった、というものだと思う。
私のnukamisoの場合は、幸いにもそういったことはありません。たまにメールで問い合わせが来ることはありますが、問い合わせ件数自体が少ないし、ほとんど問題ないものばかりです。
今までいちばん悪かったのでも、某企業からの問い合わせで、こっちが手間かけて詳しくデータ送ったのに、データもらったら貰ったっきり礼が無かったのくらいだろか。まぁ一回目のメールは普通だったし、うっかりしてたんだろう。

nukamisoは開発当初から面倒な手間を省くことを考えてライセンスを設定したこともあって、 nukamisoのユーザさんと交流もほぼ皆無です。交流がないから迷惑もないのです。



ちょいと余計な話だけれど、「使用許諾契約」と「使ってもらえて嬉しいかどうか」は別である、と私が割り切ってるのもある。フォントの作者さんによっては「犯罪行為にフォントを使うのは禁止する」と設定している人もおられますけれど、それはどこの国の法律で誰がどうやっていつ判断するのかな、なんて考えだすと答えを出すのが難しくなるわけですよ。そういう「迷っちゃう」条件をつけると、ユーザさんからの質問メールが増えてしまう。
テロ組織の犯行声明文にnukamisoを使う行為は、nukamisoの使用許諾契約には違反しません。でも、暴力行為に私のフォントを使われるのは不愉快だし、私がその不愉快だという感情を表明するのも、私の自由なのです。


許せる暴言と許せない暴言

http://d.hatena.ne.jp/Narr/20140603
私がこの日に怒ってた*1のは、これが関連の仕事をしてる人の立場での発言だったからです。そして、誰も怒らずに「紹介してくれてありがとう」な雰囲気が許せなかったから。
ものを知らないと、ものの背景を理解してないから、見た目の印象だけででたらめを言ってしまうことは誰しもある。フリーフォントの品質が商用品より平均して劣るのは確かだから、商用品の代用を求めてる人には満足できないだろう*2。そこまでなら何も問題なかったんですよ。フリーフォントの大多数はもともと商用品の品質を求めて作ったものじゃないんだから、商用品の代用、つまりはコストダウンを求める人のニーズに合わないのは当然。


素朴な勘違いは、いちいち全て咎められなきゃならないものでもない。上の例なら、べつに謝罪文を出したりまでしなくても、ささっと直したんだから、それでいいんです。直すってことは、分かってるってことなんだから。
直さない人も、皆が皆、非難されなきゃならないものでもない。調子に乗った中学生がフォント批評をしても、中学生だからしょうがないかな、で済ませてしまう。
しかし大人、それも「専門家」「研究者」を自称する人や、何がしかの信用を背景に発言している人がそれでは、許そうにも許せなくなる。正直に素人らしく感想を言ってればいいものを、見栄を張って「主張」「論述」「批評」をするから。

研究を称して主張を押し通したのなら、言ったとおりに研究を続けて、何年後でもいいから勘違いを訂正すればいい。しかしそういった努力をしない人なら、信用されなくなっても当然だと思うけれど、どうだろうか。だって研究なんてやってないんだから。
そしてそれと同時に、それを見ていた周囲の人々が、やんわりとでも忠告もせず、それどころか積極的に暴言を支持するようなら、その集団も信用しないべきだと思う。

はてなブックマークは所詮、交差点みたいなもんで、人はたくさんいても仲間じゃない。でもこれがグループだったらどうなのか。「綺麗なフリーフォントを紹介してくれてありがとう」ばかりで失礼な発言をスルーするのはだめです。さらにもし、失礼な発言を指摘した人を逆に非難していたのなら、そのグループはもう見込みがない。

で、今後どうするのか

nukamisoの直接のユーザさんは、殆ど問題がないです。ときどき事実に反した評価をされて嫌な思いをしたことはあるけれど、これは誤差と見なして切り捨てOK。
問題は何かといったら、nukamisoとは直接の関係がないところ。そこでかなり息苦しい状態が続いていて、これ何年になるんだろうか…。GIGAZINEにフォントを紹介してもらう以前のことだからなぁ……。
つまり、nukamisoのユーザさんは悪くないけれど、私個人がいちおう文字の世界の端くれ*3なので、あまりにも許せないものは許せなくて、それで疲れてしまってダウン、というか。
「文字には興味がないけど、文字についてオレはものを言うことができるのだ」なタイプの人に、ほとほと嫌気がさして、もう放棄したくなってます。
もともと金銭や名誉を求めてやってることじゃないです。だからって私は、ものを知らん人よりも無知扱いされ、見下されて、納得して満足し、仕事だけ他人に提供し続けてあげるような趣味は持ってない。

*1:はてなブックマークに私もコメントして怒ったけど、今は鍵かけてるので見えません。

*2:フォントデザインの苦労も目的もわからない人なら、「フォントは見た目が画一的だ」「決まりきった形なのだから整っていて当然だ」なんて思い込むのも、そういった発言が無知と無礼なのを理解できないのも、しょうがないでしょう。

*3:もし違う人生を歩んでたら、街の書道教室で子供相手に先生やってたかもしれない。