初歩のシェルスクリプトで遊ばない[ぬかみそフォントの制作サポート(8)]

縦書き文字が無いが、まるで縦書き文字のようにコピーされる場合

(7)のつづき。


(7)で検討した罫線の隣。点線の罫線。これらはTTEdit等幅では、半角幅に決まってます。
MSゴシックなんかだと半角幅ですが、メイリオやら游ゴシックでは、全角です。
OTEdit側では、デフォルト全角幅になってます。
これらの点線罫線は、シフトJISに入ってないUnicodeのみであり、縦書き専用グリフもありません。


(7)と同様に、1文字ずつコピーしてみます。
2504-2507に、「4」「5」「6」「7」と作成。これらは半角幅です。

u+2504、「4」のみを指定してコピーします。



同じグリフが二カ所にコピーされる。
全角幅に、半角のままコピーされ、しかも一見、関係なさそうなところにまでコピーされてしまう。これだけ見ると意味が分かりませんが、(7)の、縦書き横書きの文字の挙動に似ています。
しかし今回の場合は、90度回転された縦書き専用文字も無いわけで、そのまんま同じ文字がコピーされてしまってます。
以上と同様に、「5」「6」「7」「4-7の連続」を実行します。




以上のように、「4」「5」が消えます。数字ではなく本来の点線で試すと、


横の点線が消えてしまう。

厄介な点

上記のような文字が、どこにどれだけ有るのか、現状、全体像が分かりません。これが厄介。
罫線素片だけでなくて、矢印や鋏の絵文字なんかも同様みたいです。
今のところ、資料がない。試しに一括でコピーしてみて、結果を点検して不自然なところを目視で探す、くらいしか思いつかない。

もし縦書き専用文字が絡んでいるならば、収録文字数の多い、縦書き文字の多いフォントをTTEditで開いてみて、「文字一覧」で縦書き専用文字をチェックしてみる、というのは……ライセンス上の問題が無いなら、使えないこともないかなぁ、とは。目安くらいには。
フォント会社の法務様には「TTEditで開いて見るだけでもリバースエンジニアリングだ! 縦書き文字の収録リストを見るだけでも権利侵害だ!」とか言われたりしそうな気がして、ねぇ……。

一応の対策の一手



今回とりあげた文字は、OTEditの編集タブを見ると、「横・縦」と書かれる文字のような気がする。もしコピー先のOTEditというか、OpenTypeフォントの中身の設定の何がしかが原因ならば。「横・縦」と書かれてない、単純な扱いの文字。そこの文字コード目指して、いったん本来とは違う置き場所にコピーしてしまえばいいんじゃないか、という手はありそう。
ギリシャ文字の「Α」、u+0391を指定してコピーすると、一文字が一つずつコピーされた。あとは、ここからCID指定で(Unicodeではなく)して、OTFから別のOTFへコピーしてやれば、一応できそうな気はします。
めんどくさい。

何を目指すべきか、どう対策すべきか

前提としてる目的は、グリフの流用、フォント制作作業の簡略化です。TTEditで作ったグリフからTrueTypeフォントを作り、さらに、TrueTypeフォントのグリフをOpenTypeにコピーして使いたい。
私はTTEditの等幅で作る、と決めてるので、罫線については別に作るしかない。合成用のOpenTypeフォントを別に作ってあります。
どうしても、でない限りは、OpenTypeで作ってしまったほうが、簡単な気がします。

雑感

TTEditのデフォルト作成フォントが、MSゴシックの頃のフォントに準拠する方針だからかな、という気はします。罫線が半角幅なのも、縦書き用が設定されてないのも。縦書きフォントがもし用意されているなら、こういう挙動にはならないかも。
メイリオや游ゴシックが広まったとはいえ、今まで半角で作ったんだし。仮に、TTEditのバージョンアップして仕様変更しました、全角に変えました、で、皆が喜ぶ、ってもんでもないだろうし。仕様変更したからUnicodeの罫線をぜんぶ作り直せっつうのも、ねぇ。