書くだけ書いて後悔する類の話

2011年頃に書いてた文章が出てきた。一部を置いてみる。

この頃、ファミコンの中からビデオ信号を取り出してテレビに繋ぐ、「ファミコンAV化」ってのをネットで調べてて、これについて書こうとしてた。でも思うところがあったり、疲れてたり、何より私に資格が無くて、アウトラインまで書いて、回路を組んだり測定したりは、しなかった。

トランジスタ1個の回路なのに、ファミコンが出てから四半世紀も、正常動作しない回路がネットで広まるという、なんともしょうもない現状が、この頃あったんだと記憶してます。「昭和とは違うぜ、インターネットで情報収集して情報強者だぜ」なんてのは、いったいどこにあったのか。
最近は高度化? してるというか、海外勢も含めた、なんか凄そうな回路もあるみたいで、今とは状況が違うみたいですけれど。


この頃、ニセ科学批判界隈ででも、私個人として不満に思うこともあった、んだったか。確かそうだったはず。私は今も
http://b.hatena.ne.jp/Narr/%E6%B0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%A8%80/
水伝ブックマーク続けてますけど、水伝にしてもゲーム機改造にしても、これらの話の中身よりは、「ある主張に批判をすると、その批判をする行動に対して、主張の正誤とは別の点から異論を言う」態度、批判行為批判に関心を持ってました。


回路については、回路の正誤がそれなりに問題ではあるだろうけれど、主問題はそこでなくて、社会性の問題。特に水伝については、中身の正誤は本当に問題でないんだろう、と私は今もそう考えてますけどね。
もちろん、長いこと水伝ブログ見てても、彼らが心底で何を考えてるかなんて、私には分かりません。想像は簡単だが、確認できないことは分かると言ってはいけない
もっとも、世間には凄い人がいるから、週末に水伝で喧嘩をしてるところを見るだけで、彼らの内心を看破できる人もいて、それが正しいらしいけれど。


↓以下、2011年の文章。ファミコンの改造の回路について書いてから、最後の雑感の文章。

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非常に書きにくい

自分は何様なんだろうか、と、それは思う。ひとのこと言う前に自分の勉強したい。私なんかが解説記事を書かなくても、知識が欲しい人は、普通に本を買えばいいわけで……。
私が他人の言い分に賛同しないで口出しすると、ときどき「攻撃的だ!」と、通りすがりの人に怒られたりもする。
これは、私個人の問題だけとも思えない。以前、ゲーム機改造界隈で、自作回路を公開していた人が、通りすがりの人に回路の欠陥を指摘されて、「あんたが気になるなら、あんたが自分でなんとかしたら? 動けば正義だから、私は気にしてません」なんて、仲間と一緒に嘲笑する様子を見かけたことがある。

分かる人は、分かってる。このトランジスタ回路なら、回路図を一目見れば、実験しなくても、欠陥がわかる。私を含めた一般人の「実際にやってみた」はその程度のものなんだ、と私は思う。
見た人は、すぐわかる。なのに何も言われないのは、どうでもいいから無視されているだけ。やってることも、人間も、どっちもどうでもいいから。

中・長期的な視点ではどうだろう

ゲーム機から視点を他に向けると、素人が「実験」をして、何かしら珍しいことを発見した、と言い張るのはいろいろある。いわゆる「オーディオカルト」は定番だし、私はしばしば、「実際に実験して確かめました」を見てる。「水からの伝言」については、学校教育に使われたこともあって、問題視する人も多い。それに比べれば、ゲーム機の改造なんて、些細な話。
確かに、ファミコンのAV化そのものは、どうでもいいと思う。でも、やっていることは、回路の勉強と同じ。そして、こういう体験って強いのだ。自分の手を動かして自分で作った体験は、他人が言葉で打ち消そうとしても消せない。

初学者が最初におかしな回路を題材にしてしまうと、入り口で大幅に遠回りしちゃう。中途半端に「動く」回路だと、なおさらに。
入門で間違いに引っかかると、初学者は非常に多くの時間や労力を無駄にする。青少年時代に数年を犠牲にするのは大きいし、大人になっても引っかかっていると、何十年も無駄にする。失敗もいい経験だった、では済まない。「好きにさせればいい」なんてのは他人事だから言えることで、自分や家族のことなら、そういうわけにはいかない。

ファミコンの改造なんて小さい問題で、多くの人は放置する。でも小さな問題を「無視すべき」と主張しておいて、極端なオーディオカルトや「水からの伝言」に突っ込み入れるのは、何か違う気がしてる。
大きな勘違いで大きな迷惑を撒き散らす人は、大きな勘違いが凝り固まる前に、たくさんの小さな勘違いを積み重ねてるんじゃないんだろか。小さな勘違いを小さな手間で直すのも、悪くないやり方だと思うけれど。


「情報強者」は「情報判断が正確な人」ではない

Googleで「ファミコン AV化 改造」のキーワードで引っかかるのはファミコンの改造方法の体験記事で、トランジスタ回路の基礎知識ではない。
Google先生に質問して、ネット上の情報だけ収集すると、ネットで複数転載されてる回路は、「多くの人が試作して動作確認した定番回路」みたいに見える。
情報強者だからこそ、基礎知識を知る前に、今すぐ欲しい結論ばかり集めて、早とちりしてしまいやすい。

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タイトルどおり、ブログで公開すると、一晩して消したくなる文章というか……。
回路を書いたりオシロの写真を載っけたら、なおさら消したくなるんだろうなぁと。
今さら他人の改造回路にケチつけるために半田ごて握るのもどうかと思うし、これだけ置いて一区切りってことにして、関連ファイルを処分しようと。
今、ファイルの掃除しとるんですわ。